市場動向

社会的な動向

1.死亡人口は2040年まで増加傾向

推計では2040年まで死亡者数は増加、2040年の167万9千人がピークと言われています。
対前年増加率は年々鈍化し、直近では2%程度で増加。2029年以降は1%以下となると予測されています。

2.国内は少子高齢化が進む

2018年時点で、日本の総人口は1億2,644万3千人(前年同期比▲26万3千人〔▲0.21%〕)と減少傾向にあります。また15歳未満人口割合は過去最低となりました。一方で、65歳以上人口は総人口全体の3割弱(28.1%)を占めています。
2018年においては、15歳未満人口は12.2%、65歳以上人口は28.1%、75歳以上人口は14.2%と高齢者が占める割合が高くなっています。

出典:総務省統計局「人口推計」(2018年10月)

3.高齢者のおひとりさま世帯の増加

65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著で、1,000万世帯が高齢者のおひとりさま世帯です。
一方で平均世帯人数は減少しています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成30年/2018年推計)

人々の価値観・慣習の変化

◆葬儀及び供養のかたちの変化

少子高齢化にともない、世帯人数の減少、ならびに定年後しばらくしてから亡くなられた方が増え、かつてより葬儀の参列人数も減少傾向にあります。また宗教的価値観の変化などから、葬儀および供養自体も新しいかたちが次々と生まれてきています。
(例)葬儀:無宗教葬、一日葬
(例)供養:手元供養、樹木葬、散骨

◆終活の浸透とIT利用度の増加

「終活」という言葉について知っている人の割合は9割に達しています。
(「終活」に関する意識調査結果 https://www.san-hd.co.jp/files/news/other/20220606.pdf
また、65歳以上のスマホ・タブレット保有割合も増加傾向にあり、インターネットを通じて葬儀や関連サービスを選択する割合が拡大していくと見込まれます。ただし、誤った情報が散見されるので、利用者には注意が必要です。

出典:総務省「通信利用動向調査」(2020年)

同業他社の動向

◆異業種からの参入が増えています

インターネット経由での集客・紹介を行い、自社で葬儀施行を行わないマッチングサービス企業の参入が全国的に増えています。
スケジュールの柔軟さや、セットプラン、パックプラン等の価格設定が分かりやすくリーズナブルな反面、実際は追加料金がかかるなど、景品表示法違反の措置命令を下される企業もあります。葬儀業界では、事前に見積りを提出し、明瞭な料金や質の高いサービスを保持していくなどの動きがでてきています。