リスクマネジメント

リスクマネジメント方針

 燦ホールディングス株式会社及びそのグループ会社は、経営環境の変化に伴い、ステークホルダーと地域社会のために、広範囲なリスク対策を行い、それらの安心・安全の確保に取り組み、社会的責任経営の確立を目指します。その実現のために事業と組織を取り巻くリスクを総合的に評価し、重要なリスクを特定し、平常時における予防対策から緊急時及び復旧対策に至るまでのリスクマネジメントシステムを構築し、維持改善に努め、社会的責任を果たします。

行動指針

  • リスク対策の実施並びに品質管理強化により社会的評価を高める。
  • 社員の安全・健康並びに経営資源の保全を図る。
  • 被害が生じた場合は、最小限に抑え、迅速な回復を図る。
  • 地域社会の安心・安全に配慮し、社会的損失を発生させないように活動を行う。
  • リスクが顕在化した場合には、責任ある行動をとり、リスク対策の実施結果を検証して、その改善を行う。
  • 法律遵守及び監査機能の強化に基づいた経営ガバナンスに取り組み、社会的信頼に応える。

制定日:2009年3月19日

燦ホールディングス株式会社

代表取締役社長 播島 聡

リスクマネジメント基本目的

 燦ホールディングスグループにおけるリスクマネジメントの基本目的は、業務遂行・自然及び事故災害に伴う物的・人的被害・信用低下・経営資源損失を最小限に抑制し、緊急時には組織の機能を維持しながら、迅速な復旧を図り、企業活動を継続することにある。

事業等のリスク

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります(2023年6月現在)

葬儀需要の変動について

(死亡者数)

 葬儀需要の数量的側面は死亡者数によって決定され、葬儀事業における所与の条件となります。死亡者数の中長期予測として、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2023年4月集計)における死亡者数の中位推計に依拠すれば、向こう10年間、年平均1%弱の伸び率で死亡者数が増加するとの予測が得られます。しかし年度毎に見ると、実績値は上記推定値から乖離した動きを示します。

 したがって、仮にマーケット・シェアおよび葬儀1件当たりの平均単価が変わらないとしても、(当社グループ営業エリアの)死亡者数の変動によって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループの単年度業績が、少なからず変動する可能性があります。

(季節的変動)

 年間死亡者数の発生に季節性があるため、特に12月~2月が当社グループの葬儀施行件数が相対的に多い繁忙期となります。したがって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループでは、上期よりも下期の営業収益が多くなっています。

 また、この繁忙期(とりわけ1月~2月)はインフルエンザの罹患者の発生が多くなる時期でもありますので、その年のインフルエンザ流行の程度によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

大規模葬儀の変動について

 当社グループでは、社葬・お別れの会・合同葬といった企業・団体・学校法人などが執り行う追悼セレモニーについて、豊富な施行実績に基づく運営のノウハウを有します。個人の方の葬儀(一般葬儀)と比較すると、参列者数の多い規模の大きな葬儀となる一方、限られた件数となりますので、年によって受託件数・金額の変動を生じます。したがって、追悼セレモニーという相対的に規模の大きな葬儀の受託件数・金額の多寡により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。(金額5百万円超の葬儀を大規模葬儀と定義した場合、主に受託する㈱公益社の葬儀施行収入全体の1割前後を占めます。)

規制と競争環境について

 葬祭業界は法的規制、行政指導のない業界ですが、それは裏を返せば事業への参入障壁が低いことを意味します。業界内には地域密着型で家業的な中小零細業者を圧倒的多数とする葬儀専業者と、広域展開している一部大手事業者を含む冠婚葬祭互助会とがあります。これまで婚礼を中核事業としてきた冠婚葬祭互助会が葬儀に注力しているほか、成長産業としての認識から、仏事関連産業はもとより異業種(電鉄、流通、生協、農協、ホテル等)からの参入が全国規模で進んでいます。また、インターネットによる葬儀紹介事業者の進出もあり一段と競争激化に拍車をかけています。参入障壁の低さが、今後新たな新規参入を招き、当社グループの業績に影響を与えるような競争環境の変化をもたらす可能性も否定できません。

自然災害、感染症等の発生について

(自然災害)
 台風や豪雨、大規模な地震等の自然災害の発生は、当社グループが所有または運営する施設(主に葬儀会館)に損害を及ぼす可能性があります。これに伴う葬儀会館の一時的な稼働停止リスクに対しては、グループ内の他の葬儀会館や外部施設の利用により、葬儀施行への影響を最小限に抑えます。また、施設に係る経済的損害のリスクについては損害保険の付保により転嫁を図ります。しかし、それらの対応で十分に事業への影響や損失がカバーされる保証はありません。
(感染症等)

 感染症の発生・蔓延は、人びとの移動や集いに大きな制約をもたらします。最悪の場合は、故人との対面でのお別れができないなど、葬儀形態そのものが制約を受けることも生じます。こうした事態は、葬儀の参列者の減少、小規模化をもたらし、また、社葬やお別れの会などの大規模葬儀の施行を困難にすることを通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクについて

 当社グループでは2020年2月中旬以降、コロナ禍により、主に葬儀における参列者減少に伴う小規模化によって業績への影響を受けてきましたが、当連結会計年度においては葬儀施行単価に持ち直しの傾向が見られました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大から3年が経過し、わが国でもWithコロナの取り組みが進んでおり、社会経済活動が正常化に向けて本格的に動き出しましたことが背景にあります。

 このような状況の変化をふまえ、本感染症の影響は、今後は過去3ヵ年と比べて限定的になると想定しております。但し、本感染症による影響が今後この想定と乖離する場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

固定資産の減損について

 当社グループは、葬儀会館に係る有形固定資産を中心に固定資産を保有しています。経営環境や事業の状況の変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

法的規制について

(食品衛生法)
 当社グループの料理・飲料事業については食品衛生法により規制を受けています。当社グループが飲食店を営業するために、都道府県知事が定める基準により食品衛生責任者を置くことはもとより、厳格な衛生管理を実施しすることによって、食中毒の回避に万全を期しています。しかしながら、万が一食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(個人情報保護法)

 当社グループでは、葬儀の請負等を通じて多くの個人情報を所有することから、2005年4月より施行された個人情報保護法の遵守体制構築を経営の最重要課題の一つと位置づけ、プライバシーマークの認証を取得いたしました。

 しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージの低下が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。